Nikon D70
 

1.長時間露出等について   2.天体撮影用タイマー付きリモコン   3.ダーク処理 4.改良型リモコン
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 Nikon D70 天体撮影用改造(ローパスフィルタ交換)   2005.08.02

2005/7/22(金)
 先日中古で入手したニコンD70の改造を行いました。これは天体写真で重視される赤い散光星雲をよりよく描写するために、ローパスフィルタを交換するものです。群馬星の会の川上氏がすでに改造を経験されているので、直接アドバイスを受けながら作業を行いました。
 まずはボディ左右に2本ずつあるネジを外します。これはプラスドライバーで簡単に取れました。
 次に裏蓋部分を外します。はずれにくければマイナスドライバーなどを使ってこじ開けます。私の場合、器具を使うことなく外せました。しかし、ここで最大の注意があります。この時点でCCDと底部の基盤をつなぐフラットケーブル(右写真
赤矢印)が外れると、正常に復帰しなくなる恐れが大きいので、慎重に進める必要があるとのことです。S氏と三人がかりで抑えながらの作業だったのでここはクリアーしました。
 次にCCDを止めてある基盤を外します。ところがここのネジが硬く締まっていて、慎重に力を加減しながら進めていたのでは外れませんでした。やっとの思いで外したと思ったら、いつの間にか先ほどのフラットケーブルが抜け落ちてしまっていました。しかし、もう後戻りはできません。あとで差し込めば大丈夫だろうとのことで作業を進めました。
 さてこれでCCDが見えました。ローパスフィルタを押さえているネジを外し、すこし接着されているような感触の枠を外せば分解は終了です。代わりに川上さんが用意してくれた同じ厚みのガラス材を装着して、後は組立作業に移ります。
 分解とは逆の手順でCCDのついた基盤を取り付け、フラットケーブルを慎重に差込み、ロックします。裏蓋を取り付け作業完了。
 電池を入れ、スイッチを押すと上部パネルにきちんと情報が出ています。ここまでで約30分ほどでした。
 ところがほっとしたのもつかの間。液晶モニターに何も映りません。メニュー画面も表示できず、シャッターも切れません。「フラットケーブルの接続がずいぶん繊細らしい」ということになり、再度裏蓋を空け、ケーブルを点検すると、少しだけななめに差さっているようでした。一度ロックを外し、ケーブルを奥まで差し込み直します。そしてまた裏蓋をつけ・・・。この作業を5回ほど繰り返し、やっとモニターが復帰しました。
 やった、と思いシャッターを切ると「このカードは使えない形式です」とかなんとかメッセージが出てきました。カードを変えたり、底部のボタンでリセットしたり、いろいろ試しても改善されません。
 あきらめかけていたのですが、Sさんが「実際動作しなくなり数回の分解を行いました。」と言う書き込みのあるWebを探し出してくださいました。逆に考えれば、数回の組み立て直しで元にもどる可能性があるということではないでしょうか。そこで「やはり原因はフラットケーブルだ」ということになり、再度挑戦です。
 どうせだめならと言うことで、今度は底部のネジを全部取り去り、カバーを外して作業しました。こうすると格段に作業がしやすくなります。底部基盤側のケーブルを先に外し、問題の部分をしっかり差し込みます。仮組みを行い、スイッチを入れると液晶まではOKです。
 恐る恐るシャッターを押すと・・・切れました。やった。復帰!!とおもいきや、2コマ目からが切れません。また一からやり直しです。
 ここまでやってだめなら原因は別のところかもしれないと思い、別のデジタルカメラで写した画像入りのCFカードを差し込んでみました。すると画像の再生はOKです。じゃあCCDからのケーブルがおかしいのではと考え、また分解してみました。しかしこちらには怪しいところはありません。
 20:30に始めてここまでで4時間。もう一度、すべてを慎重に組み直してみましたがだめでした。

 そんなわけで私のD70は結局、病院(メーカー)送りになってしまいました。「改造するとメーカー修理も受け付けてもらえない」といった書き込みを見たことがありますが、今のところニコンでしっかりと直してもらっているようです(お盆前には戻ってくるそうです)。
 改造は自己責任です。簡単にできそうな気がしたのですが、私の場合はうまくいきませんでした。最近では光映社さんの他にIDASさんでも改造を受け付けていますね。料金は送料込みで2万数千円〜4万円ほどのようです。私は川上さんに代わりのガラス材をいただいたので、ここまでの経費は0円です。しかし、修理代にいくら掛かるのか・・・。やはり、ショップに頼む方が賢明かもしれません。

 修理についての報告   2005.08.13

 昨日、修理から帰ってきたD70を受け取りました。納品書には
・液晶モニター映らずのため、電子回路部の部品を交換いたしました。
・CCD上のフィルターの表面のみ清掃いたしました。
と記されています。メニュー画面などは見られたのだからモニターが映らないというのはどういうことなのか?それよりも症状としては画像が記録できないことの方が重要なのではないか?などと思いましたが、試写してみるととにかくきちんと撮影できたので問題ないと思います。
 気になる修理代ですが、修理工料が14,500円。部品代が15,300円。その他運送料、消費税などで32,287円になってしまいました(ちなみに部品代で一番高価だったのが「記録圧縮基盤部」で14,500円です)。これではやはりはじめからショップに改造を頼んだ方が賢明かもしれません。しかし、私の後にすぐ改造を行った星の会のAさんは、フラットケーブルが外れないように慎重に慎重を重ねて作業を進めたところ、無事成功したそうです。注意1秒、修理3万。自己責任改造の明暗がはっきりと別れました。

 改造したD70での画像   2005.08.14

 改造機の試写を行ってみました。左がそのまま撮影したjpg画像、右が白い紙を撮影し、プリセットホワイトバランスを設定した画像です。ローパスフィルタを取り去ったので、そのままの露出では案の定真っ赤な画像になりました。でも、プリセットを行えば一般撮影でも問題ないレベルです。
 
 昨夜、ペルセ群を狙いながら試写した1枚です。西にはまだ半月が残り、雲も飛んでくる悪条件での撮影でした。思ったほどに赤の描写はきつくありませんでした。
2005年8月13日 
Nikon D70(ローパスフィルター除去改造)  AiNikkor 24mm F2.8→4 3分×2コマ
三鷹光器製 GN-170赤道儀 ノータッチガイド撮影
StellaImage5で合成&レベル補正  群馬県勢多郡富士見村赤城山 新坂平にて


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