しし座流星群を予測する
――― D・アッシャー氏 最新理論 ―――
2001年10月14日(日)に開催されました


時講演 : 宇宙科学研究所 矢野 創 氏
『しし座流星群を迎える日本の観測態勢』


おかげ様で、大盛況のうちに終了いたしました。お世話になった方々に心より御礼申し上げます。

アッシャー氏の理論のとても簡単な解説はここをどうぞ

 群馬星の会では太田宇宙の会とともに「デビッド・アッシャー氏講演会」を開催いたしました。期日は去る2001年10月14日(土)。しし座流星群の約1ヶ月ほど前でした。会場は群馬県館林市の向井千秋記念子ども科学館です
 Asher氏は、英国Armagh天文台に所属していらっしゃいますが、日本でも多くの研究活動をされています。近年は流星群物質の運動に関しての研究を行い、ここ数年、驚くべき正確さで流星の出現を予測されています。氏によると、今年のしし座流星群は日本を含む東アジアでたくさんの流星が見られるだろうということでした。
 また、通訳も兼ねて宇宙科学研究所の矢野 創氏も合わせてお招きし、日本の観測態勢を中心とした同時講演をお願いしました。矢野氏は、1999年地中海上空でしし群をとらえるというNASAのミッションにも参加された方です。
  当日は75名もの参加者があり、盛況のうちに講演会を終了させることができました。中には山形県から駆けつけてこられた熱心な方もいらっしゃいました。

 さて、アッシャー氏の予測に対する結果ですが、みなさんご存じのようにすばらしい流星雨が出現しました。まだ、細かな検証が残っているとはいえ、アッシャ−氏理論の正しさが広く認知されたことでしょう。
 2001年のしし座流星群は、母彗星回帰後すでに3年半以上の年月が過ぎていましたし、11月19日は月曜日です。もしアッシャー氏の予測がなければあの見事な天体ショーを目にすることはなかったかもしれません。アッシャー氏と恵まれた天候に感謝するばかりです。


矢野博士(左)とアッシャー博士
向井千秋記念子ども科学館


開会行事

 今回の講演会は10月13日(土)に上田市でアッシャー氏の講演会が予定されていたことが発端です。上田市で一泊されるのなら、その帰りに群馬に寄っていただこうというわけです。そこで、群馬星の会と太田宇宙の会から実行委員を組織し、上田市の担当者である渡辺氏、アッシャー氏の日本での所属である日本スペースガード協会などと連絡を取り合いました。
 共催をしていただいた日本スペースガード協会様,ご後援をいただいた館林市教育委員会様、ならびに向井千秋記念子ども科学館様、協賛をいただいた、CST(コンピューター システム テレスコープ)様、ならびに株式会社D&Dピクチャーズ様、またその他お世話になりました皆様、関係諸機関の方々に、この場をお借りしまして、深く御礼申し上げます。
太田宇宙の会の石川氏が開会あいさつ 渡辺氏のあいさつ


アッシャー氏の講演

 いよいよ講演開始です。アッシャ−氏の低くよく通る声が会場に響きます。上田市では一般の方を対象とした講演だったので、流星や流星群の基礎知識についても時間をかけていただいたそうですが、こちらは対象を天文マニアに絞っていました。そのため、専門的な話をたくさん聞くことができ、大満足でした。
1866年の流星雨の話でスタート おなじみの図 ダストトレイルの断面図

矢野氏の講演

 続いて矢野氏の講演です。矢野博士は今回の母彗星回帰で得られた様々な情報や2001年の日本の観測態勢について講演してくださいました。今まで流星観測の分野はアマチュアの観測が多くの比重を占めていました。それが今回のしし群で、プロの手による観測が本格的に始まったといえそうです。
講演する矢野氏 今までの観測結果 新しい流星研究の紹介


閉会&おまけ

 閉会行事では群馬星の会顧問である石原先生が謝辞を述べ、それを同じく群馬星の会会員である高柳氏が同時通訳しました。
 講演会修了後、事務室でサインをいただき、最後に科学館屋上で記念写真を撮りました。その模様については講演会広報担当である新井寿さんのホームページで紹介されています。合わせてご覧下さい。
石原先生が謝辞(高柳氏が通訳) アッシャー氏と事務局長の大島氏 それぞれの会にサインをいただく


 私がアッシャー理論をはじめて知ったのは科学雑誌Newtonの1999年12月号でした。まだどの天文専門誌にも詳しい解説がなかった頃です。また、矢野氏が参加したNASAのミッションは、今は廃刊となってしまったスカイウォッチャー誌の 2000年2月号(pp8-13)に詳しく紹介されています。なお、この記事は阿部新助氏のホームページで見ることができます
開会あいさつの中で紹介させていただいた2冊の雑誌。記念のページにはサインをいただきました。

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