群馬星の会の顧問である川上勇さんのお名前が付いた小惑星が誕生しました。
 これは小惑星8413番で、1996年10月9日の夜、北海道の上田清二さんと金田宏さんによる25cm望遠鏡の写真観測により、16等級の明るさで発見されました。
 今回の命名については、川上さんの業績を称え、小惑星観測で国際的に著名な渡辺和郎さんや天体写真家の藤井旭さんらから提案されました。これに発見者の方も大いに賛成され、国際天文連合IAUも正式に承認、このほど小惑星『8413Kawakami』の誕生となったものです。
 川上さんは、長年にわたり主に天体望遠鏡の設計、改良、制作に情熱を注がれ、望遠鏡製作者として注目され続けてこられました。特に白河天体観測所と日本ハレー協会で共同企画された”ハレー彗星観望全国巡回キャラバン”では、国内初の本格的なトレーラー塔載の84cm移動用チロ望遠鏡の製作に参加。また、オーストラリアへのハレー彗星観望ツアーでは、自らの手作りになる50cm反射望還鏡を現地に移送、テレビの衛星生中継で76年ぶりに戻ってきたハレー彗星の姿を日本の茶の間へ送り届けるなどの画期的な試みにおいて、技術スタッフとして指導的な役割を果たされました。 
 私事になりますが、藤井旭さんの著作をたくさん読んで育った私は、白河天体観測所の一員でもある川上さんのお名前は早くから知ってはいました。高校生の時には「星空への招待」で川上さんの手がけた望遠鏡をのぞかせていただきました。このときに群馬星の会のことをお聞きし、入会資格(社会人or大学生以上)が得られたらすぐお仲間に加えてもらおうと思ったものです。その後、ハレー彗星観望全国巡回キャラバンでは、川上さんの地元でもある渋川市において、群馬星の会主催の観望会を開くこともできました。
 今回の命名を記念して3月31日には祝賀会が開かれることになりました。群馬星の会としてもお祝いの気持ちを表したいと考えています。
(3月31日、無事、盛大に開くことができました。祝賀会の様子はこちら

 なお、この小惑星の詳しい軌道などについては、NASAのJPLのページ http://neo.jpl.nasa.gov/orbits/ がおすすめです。
ここでObject Name に 8413 あるいは kawakami と入れ、少し下にある searchボタン をクリックします。すると、軌道がJAVAのアプレットで立体的に表示され、下の方には軌道要素も出てきます。ぜひ一度お試しください。

 また、ステラナビゲーターVer5には「小惑星8413 1996TV10」としてすでにデータがしっかり載っていますね。2001の4〜5月はふたご座を東に移動中です。ステラナビゲーターで作成したKawakamiの最近の位置と軌道図を載せておきます。
3月18日には、ぐんま天文台の65cm望遠鏡でその姿をとらえることができました。視野が5’×5’なので、10分間隔で撮像しても移動の様子がよくわかります。

2001年前半の位置 軌道図 2001年03月18日の画像

トップページ 群馬星の会 トピックス