2006年8月26日(土) 惑星の新しい定義

 テレビや新聞の報道でご存じの方も多いと思いますが、国際天文学連合(IAU)の総会で新たな惑星の定義が決定しました。この結果、太陽系の惑星は8個になり、冥王星は惑星からはずされて、"dwarf planet"という新しい分類に入ることになりました。
 dwarfという言葉は今まで白色矮星(White dwarf)などに使われてきたので、今回は「矮惑星」と表記している場合が多いようです。「矮小惑星」というものも見受けられましたが、これは「矮小・惑星」として捉える必要があります。もし「矮・小惑星」とすると「小型の小惑星」という誤った意味になってしまいます。(小惑星(Minor Planet)と言う用語もなくなるそうですが・・・)。
dwarf planet は「惑星に次ぐ天体」というイメージなので「準惑星」という訳語を提案している学者さんもいるようです。
 国立天文台としては、当面はIAUの名称をそのまま使うそうですが、和名など日本国内での取り扱いについては、日本学術会議、日本天文学会や日本惑星科学会などで十分検討することになるということです。

8月22日(火) 魅力的な新製品3つ 

 ここのところ、魅力的な新製品発売のニュースが続いています。
 まずはニコンのデジタル一眼レフカメラD80。D70sの後継機とのことですが、10.2メガピクセルCCD、視野率約95%、倍率約0.94倍、アイポイント19.5mmのファインダー、上下左右170°の広視野角2.5型液晶モニターなど、基本性能が著しく向上しています。天体撮影を考えた場合も、長さ比約25倍までの拡大再生やリモートコード対応など、うれしい機能が増えています。自分にはD200までは必要ないなぁと思っていたのですが、この機種には心が揺り動かされます。他に気になるのは、ノイズの量や赤外カットフィルターの特性くらいですね。天文雑誌のレポート記事が楽しみです。
 続いてお気に入りの家庭用プラネタリウム、ホームスターの上級機種であるホームスタープロ。本日付けでホームスターの公式サイトでも紹介されるようになりました。それによるとレンズや光源をグレードアップし、投影画像をより鮮明にしたハイエンドモデル機で、4 等星以上の星に微細な色を施したカラー版の原板が付属するモデルだそうです。価格は29、925円で11月中旬発売予定。こちらも興味が湧きます。

 3つめはホームスターポータブル。と言っても投影式のプラネタリウムではなく、星空をPSPの中に再現する“星空ナビゲーションツール”です。メガスターUの開発にも使われた500万個の星のデータを使用し、過去・未来の星空や天体現象をシミュレートすることもできるそうです。気になる価格は3,280円。10月19日発売予定だそうです。詳しくはこちらをどうぞ。 
D80のカタログ

8月19日(土) 

 お盆休みも過ぎたのに、日中はとても暑い日が続いています。今日もうだるような暑さでしたが、今は雷雲がわき上がっており、今夜も星空は望めそうにありません。
 先日紹介した天文教育研究会をアップし、はくちょう座χの写真を追加しました。興味のある方はご覧ください。また、たくさんいただいていた相互リンクのご依頼にもやっとお応えすることができました。天文以外のリンクも多くなってきたので、今回は分野ごとに分けてみました。魅力的なサイトばかりですので、こちもぜひどうぞ。

8月14日(月) はくちょう座χ

 実家に行き、みんなで夕食に出かけたときはベタ曇り。それが、家に帰る頃には、珍しく夏の天の川がうっすら見えるほどの良い空になっていました。
 帰宅後、急いでカメラの用意をしました。月の出までにはくちょう座χ星を撮影するためです。明るさは幾分暗くなってη星とほぼ同じくらいの感じです。2コマほど写し、明るい星をにじませるためにフィルターを用意していると、いつの間にか雲が湧いてきてしまいました。今夜は安定した空だと思ったのですが、やはり夏の夜はこのパターンが多いですね。そのうち月も昇ってきてしまい、今日もそれなりの写真がやっとでした。
8/18 81000HIT 極大を過ぎたはくちょう座χ

8月11日(金)〜13日(日) 家族旅行

 今年の家族旅行は、信州方面へ。天気が良ければ、月光に浮かび上がったアルプスとそこに沈む星々やペルセウス座流星群を眺めようと考えていました。
 初日は浅間山から草津白根山へと火山ルートを通り、横手山で一休み。時間が足りなくなってしまい、鬼無里での地層観察はできませんでしたが、とても良い天気に恵まれ、夏の高原を満喫しました。
 二日目は朝から雷雨の予報。案の定、青木湖でラフト・ピクニックを楽しんでいる最中に雷がなり始め、少し早く切り上げることになってしまいました。午後は安曇野でのんびり。
 三日目は黒部ダムまで行ってきました。この日も朝から晴天。観光放水の水しぶきで虹がきれいに見えていました。私は確か3度目なのですが、2003年6月にできた新展望広場は初めてでした。
 明け方、きれいな月が見えた日もあったのですが、結局星空は望めず。でも、楽しい3日間でした。
噴煙をあげる浅間山 青木湖でラフトピクニック 黒部ダム

8月6日(日)〜8日(火) 天文教育普及研究会 年会

 地元群馬県の伊香保で開催された「第20回天文教育研究会」に参加してきました。これは天文教育普及研究会の年会で、私は2000年に続き、2回目の参加になります。
 今回のメインテーマは「天文教育普及活動の20年、そしてこれからの20年」です。プロの天文学者からプラネタリウムや科学館に勤務する方、学校の先生や天文を学ぶ大学院生、アマチュア天文家などが集まり、天文教育の普及について熱心に話し合いが行われました。

 この会が発足してもう20年。その間に自分が何をしてきたのか、これから何をしていくべきなのか、いろいろと刺激を受ける研究会でした。

8月5日(土) 恐竜博

 昨日は幕張メッセで行われている「世界の巨大恐竜博2006」に行ってきました。天文との関わりで言えば、6500万年前の恐竜が絶滅した理由の一つとして、隕石の落下が考えられていると言う説を思い出します。恐竜展でもK-T層から大量のイリジウムが発見されているとの展示がありました。
 
 私が初めてこの説を知ったのは「恐竜はネメシスを見たか」(1987年集英社)という本でした。カリフォルニア大学バークレー校教授であるリチャード・ミュラー氏による著作で、研究者のドキュメンタリーとして引き込まれるように読んだ記憶があります。2600万年ごとにオールトの雲を乱し、太陽系に彗星を送り込むとされる太陽の伴星(ネメシス)の存在の是非はともかくとして、この本をもう一度読み返してみたくなりました。
本日 80000HIT 

8月03日(木) はくちょう座χの増光

 8月になって日中は暑い日が続くようになってきました。今日は朝から快晴。夜になっても好天が続き、久し振りに星を見ることができました。
 最近のお目当てははくちょう座のχ(カイ)星です。この星はミラ型の変光星で、周期408日で3.3等〜14.2等と10等級以上も明るさが変わります。しかし極大光度の3.3等というのは1847年に一度記録されただけで、平均的な極大は4.2等〜5.1等程度です
そのはくちょう座χが今3等台に増光し話題を集めているので、何とかこの目で見てみようと思っていたのです。
 今夜は晴れてはいるものの空気に透明感がなく、はくちょう座のくちばしにあるアルビレオが肉眼でやっと見えるくらいの空でしたが、しばらく眺めているとお目当てのχ星も確認できました。明日は朝早くから家族で出かける予定があるので、写真は自宅ドームからの撮影となってしまいましたが、なんとか写ってくれました。
はくちょう座χ
増光中のはくちょう座χ星

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