天体写真〜特徴ある景色一緒に〜(第9回 2月2週)


 素晴らしい景色に出会ったとき、あるいは旅行に出かけたとき、記念に写真を撮ることは多くの方が経験していることと思います。それと全く同じ感覚で星空を写したものが天体写真です。
 一口に天体写真といっても、ふつうのカメラと三脚を使ったものから、望遠鏡を使った大がかりなものまで様々な撮影方法があります。今回は、天体写真の基本となる「固定撮影」をご紹介しましょう。
 これはカメラを三脚などに固定して目的の天体を写すもので、天体写真の第一歩と言えます。簡単な割にその撮影テーマは広く、星座、日周運動、流星、彗星、人工衛星など、ほとんどの天体を写すことができます。
 普通の写真と違う点と言えば、星は昼間の景色と比べて格段に暗いため、「はいチーズ」といった短時間の露出では写らないことです。そのため、B(バルブ)や、T(タイム)のついているカメラが便利でしょう。コンパクトカメラはおすすめではありませんが、夜景モードで写せる場合もあります。フィルムは撮影目的により使い分けるとよいのですが、一般的なカラーネガで十分です。絞りは開放か一段絞る程度が適当ですが、露出が長時間になる場合は4より絞ることもあります。
 星は時間とともにその位置を変えていきますので、数分から数時間露出をすると星の動いた軌跡が線となって写し込まれます。特徴のある風景や建物と一緒に撮ると、作品としても見栄えがします。また、夕暮れの月や星座の形、彗星などを撮る時は、10〜30秒くらいの露出時間にして星が点状になるようにするとよいでしょう。
 今日から2月20日まで、前橋市の群馬県生涯学習センターにおいて「天体写真展」が開かれています。天体写真に興味がある方はもちろん、きれいな星の写真を生でご覧になりたい方は、ぜひお出かけください。


長時間露出した固定撮影の一例 
 1997年1月3日
 大胡町・ぐりーんふらわー牧場にて

※生涯学習センターの天体写真展は、県民をはじめとする一般の方々への天文普及の一助とする目的で行われます。2001年は今までとは形態が変わり、プラネタリウムホール前の自立パネルに天体写真の展示コーナーを設けることになりました。会期は例年通りの1月下旬から2月下旬にかけてです。
 

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