隕石〜小惑星が地球に落下〜(第6回 12月2週)

隕石
流れ星のうち、特に大きい物は燃え尽きてしまわずに地上に落ちてくることがあります。これが隕石です。しかし、ふつうの流れ星と隕石とでは、その元になる物がまるで違うと考えられています。
  隕石が落ちるときはふつう、とても明るい流れ星として観測されます。夜ならばあたりが一瞬真昼のように明るく照らし出されるほどです。また、ドーンという大きな音が聞こえることもあるようです。1996年1月7日の夕方に落ちたつくば隕石では、関東地方の広い範囲でドシンという重い物を落としたような音が聞こえたそうです。桐生でもその音を聞いた人がいるかもしれません。
  前回のしし座流星群の中で紹介したように、流れ星は彗星(ほうき星)から出されたチリが地球に落ちてきたもので、その大きさはせいぜい数ミリメートルです。しかし、隕石は火星と木星の間を回っている小惑星が地球に近づき、落ちてきたものと考えられており、大きさもけた違いなのです。数百g〜数kg程度のものがふつうで、大きいものでは数十トンにもなります。こんなに大きな物が地球に落ちてくるのですから、隕石孔と呼ばれる火山の噴火口のような大きな穴があいてしまうこともあります。地球の生命に与える影響も大きく、恐竜絶滅は隕石の落下が原因だとする学説も発表されています。
  つい最近、9月26日には神戸市北区に隕石が落下しました。民家の屋根を突き破ってしまったそうです。隕石保険なるものもあるそうですが、隕石に当たってけがをした人は、今のところ1955年、アメリカ・アラバマ州のホッジス夫人ただ一人だそうです。
  地球に巨大隕石が落ちてくるという映画もありましたね。現実になったら恐ろしいことです。そのため、地球に近づく小天体がないか、世界中の天文学者やアマチュアが日夜観測を続けているということです。



後日談
  小惑星を熱心に探している人は世界中にたくさんいます。この分野は、比較的プロとアマの境界が少なく、日本にも多くの観測者がいます。その中の一人、小林さんは群馬県在住で、アマチュアでは世界一多くの小惑星を発見しています。
  小惑星発見者には、自分の名前は付きませんが、命名権が与えられます。小林さんは、最近空の条件がよい黒保根村に移住されました。そこで最近発見された小惑星には早速「Kurohone(黒保根)」「Mizunuma(水沼)」という名前が付けられています。ほかにも「Hanamigahara(花見ヶ原)」「Riheijyaya(利平茶屋)」という黒保根村の名所の名前も付いています。そして登録番号6275には私の生まれ育った「Kiryu(桐生)」もあるではありませんか。
  自分たちに関係のある名前の星があるなんて、なかなかいいものですね。

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