しし座流星群〜今年も到来に期待(第4回 10月4週)

 皆さんは、昨年のしし座流星群をごらんになったでしょうか。新聞やテレビの報道の割には大したことがなかったとか、いやいやけっこう流れ星が見られたとか、いろいろな反応を聞きました。かくいう私は星仲間4人でいつもの梅田の山に行き、午後9時から明け方まで快晴の空のもと、存分に楽しむことができました。
 私が初めて流れ星を見たのは、小学生の時でした。とても明るい星がすうっと流れ、「木星が落ちた。」と叫んだ覚えがあります。流れ星の正体が砂粒のようなもので、ほうき星から出されるちりと関係があると知ったのはその直後です。以来、友だちを家に呼んで夜中までペルセウス座流星群の観測をしたり、高校の地学部に入り、校舎の屋上で徹夜の観測をしてきたりしました。
 流れ星は一番手軽に楽しめる天体です。観測道具は何も要りません。視界の開けた暗い空の見られる所に出かけ、いすに腰掛けたり、シートを広げて寝転がったりすればそれでOK。後は流れ星を待つだけです。温かい飲み物やお菓子を用意し、おしゃべりをしながら過ごす時間は格別です。
 しし座流星群は、テンペル・タットル彗星から出されたちりの中を地球が通過するために起こります。今回は、この彗星が33年ぶりに太陽に近づいたため、ちりの濃いところを通ることになり、流れ星が雨のように降る「流星雨」が期待されました。残念ながら、昨年は雨と言うほどには流れませんでしたが、1時間に数十個の流れ星が見られ、また、明け方には金星よりはるかに明るく光る「火球」も流れました。もっとも、私は違う方向を見ていたため、「だれだ!フラッシュをたいて写真を撮っているのは」と思ったのでした。つまり、あたり一面がそれくらい明るく照らされたわけです。
 専門家の予想では、今年(1999年)の方がたくさん流れると考えている人もいます。11月17日の夜は、暖かく過ごす準備をして、流れ星ウォッチングに出かけてみてはいかがですか。

(補足)
流れ星はとても速く移動してしまうので、思ったよりも写真に写りにくいものです。この日も100コマ程写した中に、ようやく10数個写っただけ。さらに、見栄えのするものというと数えるほどしかありません。
 この写真は、よく見ると流星の色が変わっていることに気付きます(新聞では白黒でしたが)。はじめ緑色に光るのは、地球上層大気の酸素が流星に刺激され、波長550.7nmの光を発していることによるもので、その後は大気との摩擦熱で流星物質が光っているのだそうです。
1998年11月17日桐生市梅田町にて

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