星雲・星団の楽しみ 〜星図頼りに星空散歩〜(第15回 5月2週)

  
 
 せっかく望遠鏡を持っているのに、月と土星を見たら後は押し入れの中で眠っている、なんて話を聞くことがあります。そんな方のために、今回は星雲星団をご紹介しましょう。
 星雲というのは、文字通り雲のように見える天体で水素などのガスからできています。また、星団は星の集まりで、若い星が数百個ほど集まった散開星団や、年老いた星が数十万個集まった球状星団などがあります。隣の銀河系というべき星の大集団もボーッと輝いて見えます。昔はこれも星雲と呼んでいましたが、規模や成り立ちがあまりにも違うので最近では銀河と呼ぶようになってきました。
 今から二百年以上前、天文観測家メシエは、1758年に見られたハレー彗星をフランスで初めて観測して以来彗星探しに没頭し、以後15個の新彗星を発見しました。その際、彗星と紛らわしい星雲状の天体をたくさん見つけ、そのリストを作成していきました。これが「メシエカタログ」と呼ばれるもので、頭にMの文字を付けた番号で表します。
M天体は小さな望遠鏡でもよく見えると多くの天文書に書いてあります。事実、オリオン座の大星雲(M42)やプレアデス星団(M45)などは肉眼でもわかります。しかし、それ以外のものとなると、望遠鏡の視野にとらえるまでが結構大変です。
 肉眼では見ることのできないような暗い天体を探すには、星図と呼ばれる星の地図を使います。星図と実際の星空を見比べながら望遠鏡で目指す天体を探していくわけです。ところが望遠鏡は倍率が高く、どこを見ているのかさえわかりません。そこで、望遠鏡本体に平行に付けた小さな望遠鏡(ファインダーといいます)で見当を付けていきます。
 こうして見つけた星雲や星団は、一つ一つに特徴があり、飽きることがありません。星図を頼りに、気ままな星空散歩をするのも素敵な星空の楽しみ方と言えるでしょう。

オリオン座の大星雲 プレアデス星団(すばる)
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