火星と宇宙人探し〜火星人が襲来?〜(第12回 3月4週)

 ここのところ、夕方の西の空に三つの惑星が仲良く並んでいます。一番上に土星、その下のは明るい木星と赤い火星を見ることができます。来月の6日には細い月も加わり、なかなかにぎやかです。
 火星というと一昔前まではタコのような火星人がよく話題になりました。これはウエルズのSF小説「宇宙戦争」が発端のようです。 1983年にアメリカのCBSラジオは、この小説の放送を始めました。番組は実況中継という形で進められたため、ラジオを聞いていた人々は本当に火星人が攻めてきたものと思いこんでしまったのです。番組では4回ほど、「これはドラマです」と呼びかけたものの、騒ぎは大きく広がってしまいました。 宇宙人の話題となるといろいろな意見をお持ちの方がいると思いますが、まじめに研究を行っている科学者も大勢います。
 1974年11月、プエルトリコ・アレシボ天文台の305m電波望遠鏡からは、ヘルクレス座の球状星団M13に向けて電波メッセージが送られました。故カール・セーガン博士が中心となって人間や太陽系、DNAの構造などを電波のメッセージにしたのです。
 その後、1982年に開かれた国際天文学連合の総会ではSETI委員会が正式に承認されました。これは「地球外知的生命探査」の略で、文字通りET探しのことなのです。 現在、自然に発生されたものとは異なる電波信号を検出し、ETからのメッセージを受信しようという試みが進められています。データ量が膨大なため、インターネットでつながれた世界中のコンピュータの余力を使って解析を進めています。データの取り寄せと解析を行なうスクリーンセーバーを起動すれば、誰でも参加することができます。自分のパソコンが地球外の文明のかすかな声を見つけるかもしれないという可能性にひかれ、その参加者は160万人を越えているそうです。

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