中秋の名月〜月の模様に想像力を〜(第1回 9月2週)

 月は、私たちの住む地球のただ一つの衛星で、約1か月かかって地球の周りを回っています。そして、その間に満ち欠けをして見えます。これは月が自分で光っているのではなく、太陽の光を受けて輝いているためです。
 一年中、どんな時期でも約29日ごとに満月が見られるわけですが、今の時期の月が特に美しく見えたことから、平安時代の貴族たちが月の鑑賞をするようになりました。これがお月見のはじまりといわれています。
 このころの満月だけが「十五夜」「中秋の名月」と呼ばれるのは、旧暦8月15日、つまり秋の真ん中の満月のためです。ところが地球の周りを回る月のスピードは一定ではないので、旧暦8月15日がいつも満月になるとは限りません。今年(1999年)の中秋の名月は9月24日、満月は翌日の25日です。そのため、注意深く見ると十五夜のお月様がまん丸ではなく少し欠けて見えるかもしれません。
 月を双眼鏡や望遠鏡でのぞいてみると、クレーターと呼ばれる丸いくぼみが見られます。これは、隕石衝突によるものと火山の噴火によるものとに分けられますが、大きいもので直径が200kmにもおよび、関東地方がすっぽり入ってしまうほどです。
 月がどうしてできたのかについては、これまでにさまざまな考えが出されてきました。一緒にできたという親子説、たまたま、地球の周りを回るようになったという他人説の他、最近では、太陽系ができた頃、地球に火星大の原始惑星が衝突し、飛び散った破片の一部が月のもとになったとする「ジャイアント・インパクト説」が有力とされています。
 ところで、お月様の模様、あなたにはどのように見えるでしょうか。日本ではウサギの餅つきが有名ですが、他の国でもカニや女の人の横顔など、いろいろ想像力を働かせて見ていたようです。今度の十五夜の時には、ぜひ月の模様をじっくり眺めてみてください。

 満月の様子

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