2001.02 Yamasaki-Code&LINUXの導入

あまり大きな声では言えないのですが・・・。
後期の授業は2月12日まで。その後試験期間に入り、中旬からは授業がありません。
「春休み」といわれればそうなのかもしれませんが、それこそ本当に休んでいたら何をしに来たのかわかりません。(もちろん休んでいられるはずもありませんが・・。)

研究室のゼミでは変光星の光度曲線を解析する「Yamasaki-Code」について学んでいるところです。これは恒星の形をロッシュローブで近似し、表面をいくつものメッシュに分けてそれぞれの明るさを計算していく方法です。M2のK君はこのYamasaki法の勉強をしに西はりま天文台まで修行に出かけていました。彼が修了してしまう前にいろいろ教えてもらおうというわけです。

MeadeのLX-200はまだ修理が終わりません。そのため、観測はぐんま天文台が中心になってきました。しかし、高山村で観測を終えた後、そのまま大学でデータ処理を行う元気はありません。もし、自宅のパソコンでデータ処理ができれば、ゼミのない日にわざわざ前橋までいく必要もなくなります。そこで、自宅のパソコンにLINUXを導入することにしました。

ただ、UNIXの知識はほとんどないので、インストールの流れが一番詳しく載っている書籍を選び、それについていたRedHat7を入れることにしました。しかし、これがなかなか思うようにはいきませんでした。
 まずはパソコンの選定です。Linux専用機として、あまり使っていない化石化したパソコン(Pentium120Mhz、48MB)に入れることも考えましたが、これはハードディスクも小さく、多量の解析データを扱うには不便です。そこで、半自作のデスクトップ機に組み込み、Windowsと共存させることにしました。ところが、インストールの途中でパーティションを確保することができません。作成はできているはずなのですがうまく切り離せていないらしいのです。これはRedHatのDiskDruidを使用して手動で設定することにより、何とか解決しました。
 その後は順調に進み、インストール完了です。ところがLinuxの起動方法がわかりません。RedHatのLILOというブートプログラムが働くはずなのに、いつもWindowsになってしまいます。しかたなく、起動フロッピーを入れて立ち上げてみました。これだと一応正常に動きますが、とにかく起動に時間がかかりすぎです。そこでよくわからないまま、LILOの中味を見てみました。すると、warning:deviceなんとかかんとか1024 silinder limit. と出ています。そういえば、インストールの時、注釈に小さく「ブートトラブル(1024シリンダ内の問題)をさけるために」なんてのがあったことを思い出します。まったくもう、と思いながらそこを良く読み返し、再インストールに挑戦です。知識もないのに、とにかくやってみようと始めたLinuxですが、何度インストールしてもなかなかうまく動きません。こんなことをしていて、何日かが過ぎてしまいました。
 やっぱり問題はLILOの設定のようです。エラーメッセージをもう一度よく見ると「・・・too large for linear mode.(try 'lba32'instead)」と書いてあります。そこでlilo.confの中をくまなく見ると「linear」の文字があったので、これを「lba32」に代えてみました。そうしたら、起動時にWindowsかRedHatかを尋ねてくる画面が現れたではありませんか。きっと、わかっている方にとっては何でもないことなのでしょうが、初心者はこんなところでつまずくものなのです。


 これでやっとお目当ての天文解析ソフト「IRAF」が導入できます。これを使うためにLinuxを入れたのですから・・・。しかしやっぱり、こちらもインストールには戸惑いました。UNIXのコマンドを調べ、数少ない情報を頼りに作業を進めていくのですが、展開してつなげるあたりがおかしいようです。M2のK君のWebのやり方ではどうしてもダメです。一時はRedHat7.0だから対応していないのでは、なんて考えもよぎりました。これについては○○さんのWebにある方法でインストールしたらたちどころに解決しました。でも、どうしてなのかは今もってわかりません。


PC-IRAFについて

IRAFとは、NOAO(アメリカ国立光学天文台)で作成された、画像解析ソフトウェアです。これは日本の国立天文台のWebからダウンロードすることができます。いろいろなところで使われるうちに、より便利なタスク(「ある目的を達成する、最小単位の命令」だそうです)やそれをまとめたパッケージが開発され、ほとんどの天文解析が行えるようです。我々は、変光星の光度データを得るのが主な目的ですが、ぐんま天文台での観測研究講座でもお世話になりました。また、観賞用画像の処理にも使えます。たとえば、取得した10枚のダーク画像を平均化する場合でも、「宇宙線の影響を排除するために、他の画像に比べてある一定値以上のデータピクセルは計算に含めない」なんて芸当が簡単に行えます。StellaImage3との併用でCCD画像の処理もずいぶん楽になりました。

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