望遠鏡を作ろう
 
 

 T.はじめに

 天体観察で欠かせないのが望遠鏡です。ここでは、比較的入手しやすいものを使ってぼうえんきょうをつくってみましょう。

虫めがねで近くのものを見ると大きく見えます。では遠くのものは? そうですね。さかさまになって見えます。では、虫めがねを2枚離してみたらどう見えるでしょうか。実際にやってみればわかりますが、うまく調節するとさかさまになった遠くの景色が大きく見えます。これがケプラー式と呼ばれる望遠鏡の原理です。
  
材料・道具 (くわしい説明は最後にあります)
○対物レンズ    ○接眼レンズ    ○直径4cmくらいの筒2本    
○黒い厚紙、セロハンテープ、両面テープ、ガムテープ、はさみ、カッターなど 
 
 

 U.対物レンズとフードの組み立て

(1) 太い筒(鏡筒)のはじに対物レンズをおいて、セロハンテープでしっかりとめる。
(2) 黒い紙を丸めて筒を作り、鏡筒の先に両面テープでとめて、フードにする。
  このとき、黒いスポンジでレンズを抑えるようにすると良い。

 V.接眼部(せつがんぶ)を作る

(1) 細い筒(ラップの芯)を鏡筒に差し込み、ぐらつかないように周りをガムテープをはって太 さを調節する。
(2) T型ジョイントに拡大鏡を取り付ける。テープで しっかりとめる。
(3) (1)の筒と(2)の部品をガムテープでしっかりとめる。
 

 W.鏡筒を組み立てる 

対物レンズを取り付けた太い筒に、接眼レンズのついた細い筒を差し込めば出来上がり。あとは、好みに応じて鏡筒に絵を描いたり、飾り付けをつけたりすると楽しい望遠鏡になります。
参加した児童の作品 その1  その2
 

 X.使い方

 
(1) 鏡鏡を見たい方向に向ける。
(2) 細い筒を前後させて、はっきり見えるように調節する(ピントを合わせる)。
(3) 必要に応じて接眼レンズを2枚重ねて倍率を上げてみよう。

 

☆☆☆注意☆☆☆
望遠鏡で太陽を見てはぜったいにいけません!
(目がつぶれることがあります。きけんです。)

 
 

 Y.望遠鏡について

倍率=対物レンズの焦点距離÷接眼レンズの焦点距離
今回作った望遠鏡では @接眼レンズ 1枚の場合と A2枚の場合で
 
  @   460    ÷  80    =  7.25  (倍)
 
  A   460    ÷  40    =  11.5  (倍)

☆望遠鏡の性能
  • 倍率は性能に関係ありません。倍率が高ければいいというわけではありません。
  • 対物レンズが大きいほどたくさんの光が集められるので、より暗い天体を見ることができますし、細かく見分ける性能もよくなります。高山村にある「ぐ んま天文台」の望遠鏡はレンズ(鏡)の直径が1.5mもあります。

 Z.材料の入手方法について

○対物レンズ
 今回はオルビィス製のシングルレンズ(D=40mm、f=460mm、315円)を使いました。
 この他にも(株)大和科学教材研究所のとつレンズ(φ=550mm、f=340mm、100円)も利用できます。
 なお、大和にはケプラー式望遠鏡作りのセット品もあります。

○接眼レンズ
 これもいろいろなものが利用できます。今回は100円ショップで購入したデュアル拡大鏡を使いました。
 プラスティックレンズですが、2枚重ね合わせることで倍率が変えられます。
○直径4cmくらいの筒2本
 筒はポテトチップスのものや牛乳パックを使う実践が知られています。私は職場の印刷機のマスターロールの芯とラップの芯を使いました。
○その他
 接眼レンズを鏡筒にはめ込むために100円ショップで見つけたT型ジョイントという部品を使いました。
 これは紙製のパイプをつなぎ合わせ、ラックなどを作る時の接続部品で、4個入りでした。
  
 
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