T.はじめに

流星投影機
 みなさんは、流れ星を見たことがありますか。
 流れ星(流星)は、夜空に光のすじが現れ、いっしゅんにして消えてしまう現象です。その色や速さ、明るさはまちまちで、いつどこに飛ぶかもわかりません。夜空の星座を形作っている星が消えてなくなってしまうと考えている人もいるでしょうが、実はそうではありません。その正体は、太陽系にある小さな小さなごみのようなつぶなのです。その小さなつぶが地球の引力に引かれ大気圏内に突入するときに大気とのまさつによって燃え始めます。そのとき放つ光が流れ星として見えているのです。
 流れ星が光る高さは、地上上空およそ100km。宇宙から見れば、地球表面すれすれで起こっている現象といえるでしょう。

 流れ星の大きさは数ミリメートル。質量も0.1ミリグラムから数十グラムという砂つぶ程度の物が大部分です。これらの物質にはほうき星がまき散らしたちりなどが含まれています。

今回は工作用紙と電球、電池などを使って「流星投影機」を作ってみましょう。

※この流星投影機は安達誠氏(東亜天文学会)が考案した物に、泉あけみさん(群馬県・サイエンスインストラクターの会)が改良を加え、
  「おもしろ科学教室 -第10集-」(群馬県生涯学習センター)に掲載された内容をもとにしています。

 U.作り方

1.用意するもの

・黒い工作用紙    ・ペンライト用豆電球  ・電池ホルダー   ・乾電池(単3、2個)
・柄付き画びょう   ・カッターナイフ    ・カッターマット  ・ペンチ
・両面テープ     ・ものさし       ・はさみ      ・のり       


2.箱を作ろう

(1) 工作用紙に下のように作図し、はこの部分(一辺の長さ10cm)を切り取る。
  ・工作用紙1枚ですべての部品をとることができます。
  ・今回は光がもれないように、裏が黒くなっているものを使いました。
(2) A面に中心から切り込みを入れる。 (3) 箱の形に組み立てる。

・放射状の線は点対称にならないようにします。
・切り込みの太さは1mmくらいがよいでしょう。
・カッターで手を切らないように注意しましょう!

カッターなどで折り目をつけるといいですよ。


3.回転板を作ろう

回転板(一辺が約15cmの正方形)を切り取り、
反時計回りの切り込みを入れる。

・必ず、中心からずれた直線にします。
・これも1mmくらいの切り込みにします。


4.箱の底を作って、豆電球を取り付けよう

(1) 豆電球を電池ボックスとつなぐ。
今回は、普通の豆電球ではなくマグライト用の電球を使っ
てみました。
豆電球よりも高価(2つ入りで300円前後)ですが、
光源が小さいので投影された光も小さくなります。

 商品名:MINIMAGLITE Bubls for AA
      (単三乾電池2本用のもの)

接続部分はペンチで折り曲げました。
一番細かい作業になります。
(2) 底の部分を作る。 (3) 1で作った箱に底をはめ込む。
下のように底の用紙を切り取り、両面テープで電池ボックスを貼り付ける。中央に小さな穴を開け、豆電球を差し込んでガムテープなどでとめる。


5.箱に回転板を取り付けよう  

(1) 箱の上面の中心と回転板の中心をあわせ、
  柄付き画びょうでとめるとできあがり。
  
  柄付き画びょうは、はりの部分が長いものの
  ほうが、はずれにくくてよいでしょう。

  反対側に消しゴムなどをさして止めると
  より安定します。



 V.やってみよう

1. 部屋を暗くして、白いかべや画用紙に向けて回転板を回してみよう。

2. 光(流星)が中央に集まるように回してみよう。
 その光が集まる中心点を流星群の「放射点」(または輻射点)」と言います。 しし座流星群の放射点はしし座の近くにあります。
 つまり、輻射点のある星座の名前をつかって”○○座流星群”と呼んでいるのです。

3.本物の流れ星を見てみよう
・ペルセウス座流星群は、毎年たくさんの流れ星を見ることができます。
・今年のしし座流星群は、もしかしたら1時間に数千個もの流れ星が雨のようにふりそそぐ「流星雨」になるかもしれないそうです。
 ただ、その時間は短く、11月19日(月)の明け方になると予想されています。
・流れ星は、空のどこに流れるかは全くわかりません。空の開けたところであおむけにねころがり、肉眼で見るのが良いでしょう。

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