2000.12.22(金)〜23(土)4号機&1号機の占有利用
 久しぶりの観察用占有利用です。今回も9月の時と同じように2晩、予約しました。
  まずは22日の夜。初めての4号機です。せっかくの30cmニュートン反射ですから、惑星や球状星団もじっくり見てみたいものです。最初に土星を入れました。さすがに明るく見えます。しかし、まだ温度順応していないためでしょうか、今ひとつシャープさにかけています。同架してあるFCT-150の方がカシニの空隙がすっきり見え、切れ味のよい像に感じました。次に木星を眺めた後、デジタルカメラでの撮影にも挑戦してみました。接続アダプターとアイピースを持ち込み、最近続けている月の撮影と同じ手法で撮影です。ところが、途中からどんどん雲がわいてきてしまい、満足な結果は得られませんでした。このあと、雲は空全面に広がり、やがてひらひらと風花まで飛んでくる始末です。台員の方や他の利用者の方々と制御室で情報交換をしながら過ごしました。
 22時、23時と夜が更けていってもいっこうに晴れる様子がありません。でもインターネットで天気情報を見ると晴れの予報ばかりです。「いったい、どうなっているんだ」と思いながらも少しあきらめかけていた頃です。やっと星が見え始め、25時過ぎには撮像が始められました。その後はまずまずの天気になり、明け方まで惑星状星雲や銀河を中心に撮像しました。

天文台からの眺め 快適な仮眠室

 後かたづけを済ませ、事務室で使用料を払ったりしているうちにすっかり朝になってしまいました。谷川岳をはじめとする群馬県北部の山々は雪で真っ白です。星空同様、こちらも見飽きることのない光景ですが、快適な仮眠室に行って深い眠りにつきました。





22日に撮像した天体画像(クリックすると、大きな画像で見られます)

NGC2261 NGC2403 NGC2903 M3
M95 M96 M97(ふくろう星雲) M105


12月23日(土)
  昼過ぎに起きると雲一つない青空です。今夜は一晩中、安心して楽しめそうです。一度、研究室に戻り、昨晩取ったデータの画像処理を行い、夕食を済ませてまた天文台へ向かいます。今夜は1号機を使っての銀塩写真です。オートガイダーを使うのも久しぶりなのでノートを見ながらの作業になりました。対象はM31や45、42や馬頭星雲、バラ星雲といった大型の星雲・星団です。何度撮っても飽きないのですが、優秀な光学系を使って今までよりレベルの高い作品を得たいものです。
  ところが今日も雲が流れてきて、十分な露出がかけられません。オリオン付近を撮っているうちにまた全天曇り。さらには雨まで降ってきてしまいました。待機室に行くと、わざわざ豊川市からやってきている先輩がいらっしゃいました。天気が崩れる前に見た木星と土星が素晴らしかったそうです。今日は、写真よりも観望日和でした。
 2時間ほどしてまた晴れ間がのぞくようになり、なんとか再開です。しかし、もうM31は低くなってしまったので、カリフォルニア星雲やM45をねらいました。でもやっぱり雲が流れてきてしまいます。こんな日は銀塩よりもCCDがいいですね。
  今回は、三つの高校が合同で観測を行っており、いつにもましてにぎやかでした。その後、いろいろな経緯があって2号機のCCDを使わせていただけることになり、銀河の撮像を行いました。フラット画像を撮ることはできなかったのですが、ε-250+BT-11の組み合わせもなかなかいいものです。


23日に撮像した天体画像(クリックすると、大きな画像で見られます)

M101 M97&M108 M83 M65&M66&NGC3628



2000.12.26(火)〜27(水)天文観測研究講座A
 11月に開かれた観測研究講座の第2回目に出席できなかったため、12月の19、20日に補講を行っていただく予定でした。しかし、その日は完全な曇り空。それで年も押し詰まったこんな日に設定していただくことになりました。
 ところが今回も天気が良くありません。やっぱり私と65cmとの相性はよくないみたいです。仕方なく、今まで得られたデータを使っての整約作業を行いました。研究室で天文データ解析ソフトの「IRAF」を使う機会があるため、なんとか内容についていけましたが、知らないコマンドがたくさん出てきて面食らいました。また、時間変化を追う変光星の整約と違って、SNを高くすることに重点を置く作法も新鮮でした。特に「撮像ごとに写野を少しずつ変え、あとから位置合わせを行って合成画像を作る」作業が広く取り入れられていることには驚きました。こうして、欠損ピクセルや宇宙線の影響、さらにはCCDのメモリー効果を軽減し、SNを上げるのだそうです。私もCCDでの画像をStellaImage3を使って重ね合わせたりしますが、わざわざずらして撮像するという発想は全然ありませんでした。
 この日はBerkely12という星団のデータを扱いましたが、B、V、Iそれぞれのバンドの画像を得るところまでで時間がきてしまいました。下の画像はそのときのものですが、自宅に持ち帰ってStellaImageで見たら、ほとんど違いがわからなくなってしまいました。表示上の問題だとは思うのですが・・・。

B-band V−band I-band


そこで、三色合成もしてみました。
Lab色彩強調も施したので、
科学的な価値のほとんどない
お遊びですが、色の違いは
よくわかるようになりました。

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