2000.11.25(土)〜26(日)天文観測研究講座A
 この日は観測研究講座の第2回目でした。しかし、私は滋賀県のダイニックアストロパーク天究館で開かれた「連星・変光星ワークショップ2000」があったため、こちらには参加できませんでした。担当の方と連絡を取ったところ、12月中に何とか都合をつけて補講をしてくれるそうです。アフターケアも万全ですね。

 月末には天文台で出している広報誌「STELLAR LIGHT」No.3が届きました。今回は「私の観察用望遠鏡の使い方」と題した拙文を掲載していただきました。機会がありましたらご覧下さい。ぐんま天文台のHPからもpdfファイルとしてダウンロードできるようになっています。  



2000.11.03(金)〜04(土)天文観測研究講座@
 ぐんま天文台のホームページで紹介されていた「天文観測研究講座」に参加してきました。案内によると〜測光観測が語る散開星団〜というサブタイトルで、「65cm望遠鏡を用いて観測からデータの処理、さらに解析や考察まで一環した学習・体験のできる機会」となっています。
 

65cm望遠鏡 光電測光装置

第1回 1日目の日程は
14:30− ○導入講義
       ・散開星団の観測目的
       ・星の進化について
       ・光電管による測光観測
17:00− ○65cm+光電管による測光観測
29:00− ○観測終了
30:00− ○就寝
 このようになっていました。

 わたしはどうしてもはずせない用事があったため、夜からの参加になりました。「定量的観測はじめの一歩」「光電管測光はじめの一歩」という講義を受けた後、いよいよ観測開始です。65cmについている観望用のワンダーアイを光電測光装置に付け替えます。初めてみる機器は大きく重そうで、とても立派なものでした。
 今回の観測では、大気の影響や観測機器の個体差を補正するため、標準星と呼ばれる星(大気圏外での星の明るさなどがあらかじめわかっている星)の観測と、対象となる星の観測を交互に行っていきます。さらに、その日の空の状態も調べていくので、一晩中観測が続きます。単調な作業の繰り返しですが、研究員の方々がていねいに解説をしてくれるので、今取っているデータにどのような意味があり、今後、どのように生かされていくのかがよくわかりまし
 光電子倍増管は強い光が当たると光電面がだめになってしまうため、ドームに隣接する制御室も電気を落とし、懐中電灯を頼りにパソコンを操作したりノートに記録をとったりします。暗い部屋の中にずっといると、午前2時をまわる頃にはさすがに眠気がおそってきます。途中で何度か外気をあたりに行きましたが、外はすばらしい星空。冬の銀河がよく見えています。ふと、南の空を見るとカノープスもよく見えていました。

 薄明が始まり、ようやく観測終了。後かたづけを終えた頃には午前6時をまわっていました。外に出ると、高山村方面には低い雲が出ていました。この雲のおかげで街灯がさえぎられ、最高の空になっていたのでしょう。




☆宿舎について
以前(9月1日)、天文台の仮眠室に泊まり、その設備の良さに驚きましたが、今回利用した宿舎はさらにその上を行っていました。バス・トイレ付きの個室で、ガスレンジや洗面台、テレビまであります。下手なビジネスホテルよりも立派なこの施設の利用料はわずか800円。シーツ代をあわせても1000円ちょっとでした。

明るく清潔な部屋 洗面台 お風呂まであります ガスレンジ
個室は2階に4部屋 外観はアパートのよう


2日目 

講座の会場となった「待機室」

 正午少し前に起床。もっとゆっくりしたくなる部屋でしたが、午後の講義のために宿舎を後にします。
 今日の講座内容は取得データの解析です。まずは標準星から色変換係数や大気吸収係数を求めていきますが、ただコンピュータに計算させるのではなく、手作業も織り交ぜながらの解析となりました。生のデータに様々な補正を加え、表計算ソフトなども利用しながら解析を進めていきます。こうして得られたデータをもとにして、目的とする星団の星の明るさを導き出していきました。
 CCD測光が全盛の今、光電管測光にはどのような意義があるのかと思っていたら、いただいた資料の中に詳しく載っていました。そもそも、今回の観測は古い散開星団を観測することによって、球状星団(古い:100億年以上)と散開星団(若い:ふつう数億年以下)とのあいだの銀河の歴史について推定していくことが目的です。そのためには、銀河の年齢や金属量について調べることが必要になってくるのですが、金属量を観測するのに適したStromgrenのフィルターのu,v,bバンドは、CCD(にもよりますが)ではあまり感度が高くなく、むしろ光電管のほうが敏感なのだそうです。(よくわかっていないところもあるので、違っていたらすみません (^_^;)。)
 終了予定時刻は17:00でしたが、いつのまにか1時間ほどオーバーしていました。いっしょに受講したNさんを渋川駅まで送り、帰路につきました。
 
 次回は11月の25〜26日。今度はCCDによる観測ですが、別の研究会に出席予定のため、参加できるかどうかわかりません。また、今回の内容もまだ十分消化しきれていないので、少しずつでも自分で研修していこうと思っています。

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